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鑑真和上が晩年拓いた私寺【唐招提寺】Toshodaiji|ブッダ巡礼|@奈良2023

こんばんわー

久々の「ブッダ巡礼」です!

先日、「中年オヤジのひとりごと」さんが唐招提寺を訪れていらっしゃったのを見て、感化されてすぐに後追いで行ってきました(^^)

薬師寺には訪れているものの、唐招提寺は未訪問でしたのでずっと気に掛かっていたんですよね・・・^^;

私の場合はすぐに疲れちゃうので・・一回、一カ所しか体力・気力が持ちません・・。(どんだけ虚弱やねん・・^^;)

拝観料1000円。駐車場は目の前の大きなタイムズで1時間550円、以降30分毎110円。

唐招提寺と言えば「鑑真和上」ですよね。(画像:唐招提寺HPより)

奈良時代東大寺の大仏が建立される一大仏教ブーム。

しかし、そんな中、僧侶になることで税金や労役から免れるということから「私度僧」が増えトラブルも発生していました。

「私度僧」とは自ら頭を剃って勝手に「私は僧侶です」と名乗りを上げる、言わば「自称」僧侶です。

 

 

 

中国では正式な僧侶になるには厳しい「戒律」を守らねばならないというルールがあり、この戒律を受けることが言わば正式な僧侶としての「免許」でした。

しかし当時の日本には戒律の儀式を行える「戒師」が一人もいません・・。

そこで聖武天皇の勅命により、唐から戒師を招くべく遣唐使を送ります。

興福寺大安寺の僧侶を唐に送り込みましたが、そう簡単にこれぞという僧侶に出会うことは出来ませんでした・・。

それから約9年もの歳月をかけて・・・ようやく受戒の大師、鑑真和上に出会う事が出来たんですね・・!

「戒律を授けることの出来るお弟子さんを、ぜひ日本に派遣していただけませんか!」

日本の僧侶が懇願するも、誰も行きたがりません・・。そこで鑑真和上が、

「それならば私が行ってしんぜよう」

この言葉を聞くと、多くの弟子たちも随行を希望したそうです!

まるでダチョウ倶楽部のネタですね^^;笑 

これで、皆して「どうぞ、どうぞ」だったらウケますけどね・・!笑

・・・失礼しました・・^^;

この時、鑑真和上55歳。

55歳と言って連想するのが「伊能忠敬」!「人生100年時代」の今でこそ、まだまだ若い、かも知れませんが・・・当時の感覚としては今の70くらいの年齢感覚じゃないでしょうかね・・凄いですよね・・。

逆に今、55歳から言わば人生の大なりを達成するという先人の伝説は、今を生きる私たちに大きな勇気を与えてくれるように思います!

しかし当時の渡航はまさに命がけ・・・。なんと5回も渡航に失敗します・・。

しかし鑑真和上は諦めず、なんと66歳にして6回目の渡航でようやく沖縄ー九州に辿り着き、そこから更に1カ月以上の月日を掛けてついに平城京の土を踏んだのでありました・・!

この時既に両目の視力を失っていたという説もあるようです・・。

その後鑑真和上は東大寺で戒律に関わる一切を取り仕切り、多忙な5年間を過ごします。

戒律を授けた僧侶は実に440人にも上るそうです・・。

その後、ようやく激務から解放された鑑真和上は71歳。

初心に立ち返り、戒律を学ぶ僧侶たちに正しい道を教えんと、修行の場となる寺を建立することにしました。

いうなれば「鑑真塾」。私寺【唐招提寺】の誕生です。

元々は「唐律招提」という名であったそうです。

国宝の「金堂」。立派ですね。

正面の8本の柱は法隆寺でも有名な「エンタシス」ってやつですね、上部にかけて細くなるというギリシャ神殿的な柱がここでも使われていました。

さあ、金堂の中に安置されている「ブッダ巡礼」です!!

まずはご本尊の国宝「盧舎那仏坐像」!!(仏像の画像は唐招提寺HPより)

金堂の中央に鎮座されるご本尊・・デカい・・・!

光背には小さな化仏がめちゃめちゃたくさん付いてます・・!すげ~・・・

至極の仏像フィギュア

盧舎那仏の向かって左にはこれまた国宝「千手観音菩薩立像」!

大小1000本の腕が・・!

実は本来1000あったとされる脇手ですが、現在は953本だそうです・・。

ご本尊向かって右にはまたまた国宝「薬師如来立像」!

こちらは前出の二体よりもやや遅れて、平安初期の建立のようです・・!

すげえ・・・

国宝オンパレードはこれだけではありません・・。

三体のどデカイ仏像の下にはまたまた国宝の「四天王立像」が!!

至極の仏像フィギュア

ご周知、四天王はそれぞれ東西南北を守護していますが、西を守護するこちらの「広目天」の手には筆と巻きもの。

時代が下ると広目天の手には武器が持たれるようになってくるので、これは古い様式の広目天ということが解ります。

ちなみに「北」を守護する多聞天は、四天王グループを飛び出してソロ活動する際には「毘沙門天」と名を変えることを前回学習しましたね(^^)!

更にはやはり国宝である「梵天帝釈天立像」も安置され・・その宇宙的世界感が醸し出す空間に圧倒されます・・・!

いやー・・すごいっすねえ・・・

奈良時代の・・・とか口ではサラっと言いますけど・・・

信長も秀吉も家康も全然まだまだ居ない時代ですよ・・!

とんでもない時空を超えて今に守られ伝えられて、今、ここにこうして目にしているワケです・・。

とんでもないことでございますっ・・・!!!

金堂の後ろには「礼堂」が。

こちらにも釈迦如来立像(重文)や、寺の建築関係史料が展示されていました。

更に北側に、「御影堂」があります。

ここに国宝の「鑑真和上坐像」が安置されています・・!

げっ・・!!

立ち入り禁止かよっ・・(゜゜)!!

なんだかなあ・・・(~_~;)

後で冷静に調べてみたら・・鑑真和上の坐像は6月6日の開山忌を含む3日間だけ、年に一度だけ特別公開されるとかで・・・しかも予約抽選みたいですね・・・(-_-;)

悔やまれるのは2021年春の京博における「鑑真和上と戒律のあゆみ展」です・・(>_<)!

そこに出展されていたそうですね・・クヤシイデシュ!

で、お目に掛かれるのはこちら「開山堂」における「鑑真和上御身代わり像」。

いわゆるレプリカなんでしょうけれども・・・それでも何やら凄い雰囲気・・出てました・・・(・.・;)

それもこれも写真撮影禁止にて・・なんとも厳しい戒律です・・・^^;

境内の北東の奥にはめちゃ大きなお庭があり、鑑真和上の御廟があります。

そちらにご挨拶にいきましょう。

そんでまたこの御廟に向かう途中の苔むしたお庭が・・・

なんちゅう世界感なんでしょうか・・・

写真が上手く撮れないのが悔やまれますが・・実際の世界感はとんでもない美しさでした・・!

鑑真和上の御廟。

合掌ー。

周囲には大きな池もあり、鴨?がグワグワ鳴いていました・・。

そして、鑑真和上像と同じくめちゃ楽しみにしていた「ブッダ巡礼」のもうひとつのポイント、「新宝蔵」に向かいます。

こちらの建物も高床式、いわゆる校倉造?ですねっ!

ここには鑑真和上と共にやって来た中国の仏師による仏像(国宝)が収蔵されているはずです!

それを見学に来たと言っても過言では・・な・・い・・?

げっ・・!!

閉まっちょる・・(◎o◎)!!!

な・・なんと・・・!

冬季期間12~2月休業中ということではあ~りませんか・・・(T_T)北海道かっ・・!泣

これを目的で来たのに・・・

新宝蔵の前の煤けた掲示版の写真だけに終わりました・・・チーン。

見学したかったブッダはこちら「薬師如来立像」(国宝)

ふっくらとした頬の感じや身体全体の在り様は日本の仏像には見られないものだそうで、鑑真と共にやって来た中国仏師のものといわれています。

至極の仏像フィギュア

国宝「衆宝王菩薩立像」

カヤ材を用いてつくられた一木造り。

国宝「獅子吼菩薩立像」

頭がありませんが重文「如来形立像」。

これは中国人仏師では無く、鑑真和上の影響を受けた日本の仏師が作ったものとされているそうで、少しずつ日本人好みに変化しているんだそうです。

見た目的には素人にはよく解りませんけどね・・・。

重文「十一面観音立像」。

こちらも顔立ちや体型がスマートになっており、鑑真和上の影響を受けながらも日本人仏師が作ったであろう仏像になるそうです。

至極の仏像フィギュア

この時代は一本の木から仏像の全身を彫り出している「一木造り」という技法で、平安時代初期まではこの技法で多く作られています。

一木造りの仏像は一人で彫るものでしょうが、これに対して「寄け木造」で作る仏像は「分業」が出来ます。

つまり寄せ木造りの仏像が、プロの仏師集団の工房を誕生させるのです。

平安時代の仏師集団の工房で大成功したのが平等院鳳凰堂のご本尊の阿弥陀如来像を造った「定朝」。仏像造りの大規模工房を作った平安時代を代表する仏師になりました。

「仏師集団」「工房」と聞いて連想するのがかの有名な運慶・快慶ですよね。

ここにあるのはそうした仏師集団の工房が出来る前の話であって、その流れの深さも感じるところです・・。

いや~・・・モノホンを観たかったですね・・・^^;マア・・シャーナシヤデ

と、いうわけで今回は私の「宿題」であった【唐招提寺】を「ブッダ巡礼」いたしました(^^)

これでようやく心の帳面が消えました・・(新宝蔵はまた新たな課題になったけど・・)。

一カ所だけでももう・・ヘロヘロです・・^^;笑

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案の定、ビッグネームな寺院の見学は時間とエネルギーを消費します^^;

まあ、それだけ充実のひとときを享受したと言えましょう(^^)

こうしたすごい歴史が保持されていて、それに簡単にアクセス出来るという事は本当に幸せです。

今回もお付き合い、ありがとうございました!

@奈良2023

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