こんばんわ、うめじろうの新たなるアクティビティ「ブッダ巡礼」のお時間がやって参りました。
こちらのお寺は江戸時代(寛文元年1661)に中国人僧侶・「隠元」によって開かれました。江戸時代ですか、いやー新しいですねー笑
近畿に居ると歴史が深過ぎて、江戸時代なんて「最近」に思えるようになってきました^^;
江戸時代の長崎はご周知、中国人が多数入っていましたが自然、彼らの為の宗教施設が必要でした。その為、興福寺や福済寺、宗福寺など多くの唐寺が建立されました。中国人僧侶も多く活躍していたようですが、いかんせん禅僧が少ないとのことで、本国から禅僧を招くことになりました。
長崎からの来日要請を承諾した隠元は、承応三年(1654)に長崎に来日しました。
後に「鑑真和上の再来」とも言われた隠元の来日によって、長崎の唐寺は大いに勢い付いたそうです。
その様子は京の都にも伝わり、妙心寺や龍安寺の僧侶たちが幕府に働きかけて京都の寺院に招く計画を立てました。
万治元年(1658)隠元は江戸城に招かれ、四代将軍・家綱に謁見しているようです。
そこで隠元は家綱に、「高齢なので危険を冒してまで帰国するより、日本に居た方がよいのではないか」と言われ「京都近郊の土地を寺社として贈る」として帰国を引きとめられたそうです。
そしてこの地に開いたのが、「萬福寺」。
重文の三門に掲げられている額の「萬福寺」は隠元の書とのこと。
総門からずっと敷かれているひし形に並べられた平石は、(龍の)鱗をイメージしたものだそうです。
これがですねえ・・・なんかよくわからんのですが・・ちょいちょい躓く・・・(^_^;)(そういうお年頃・・?笑)
ちなみに萬福寺の僧侶は、住職?しか平石の上は歩いちゃいけないとか・・・。ワタシごときが歩いちゃって・・ごめんね、ごめんね~~!
三門をくぐると正面に見えてくるのが「天王殿」。
ここに、例の有名な弥勒菩薩(布袋様)がおられるんですね・・!
キターっ・・・!!!
めちゃくちゃ個性的な「弥勒菩薩(布袋)坐像」!!
うっひゃあ~~・・・いるわな・・こういうおっさん・・・^^;
「布袋さん」といったら七福神じゃね?と思いませんか・・??どうやら中国の寺院では布袋は弥勒菩薩の化身とされているようです。
んん~・・・・見事な太鼓腹・・・ですな・・・^^;
しかし珍しいですよね・・こんな弥勒菩薩、他に見た事ありませんよね・・・。
なんか独特の世界が・・「感」じゃなくそこに実在している感じ・・・。
そしてその布袋さんの背中側、後ろを守るのが「韋駄天」!
「韋駄天立像」。
四天王(増長天)に従う8将軍のうちの一人だそうで、人々を迷わす魔神を見つけると、走っていってこれを取り除くという、有り難~い神様。
1700年頃の木造とのことで、まだ「新しい」せいか、金色が鮮やかに残っていました!
更に周囲には四天王!
何がありがたいって、撮影OK、というところですね!素晴らしい(^^)
迫力満点の四天王ですが、こちらの四天王像はいささか足が短かったです・・^^;
四人とも、こんな感じ・・・^^;
いやしかしすごい・・・
ここは宇治市ですが、いわゆる他所者目線で言う「京都観光」と言ったら、祇園だ清水寺だ嵐山だ、みたいなイメージだと思いますが・・そうした「京都」とはまったく別世界の、もの凄い魅力がここにあるという・・・
私の他、二組くらいしか参拝客を見掛けませんでしたけれども・・こんなにゆっくり見学出来て・・贅沢ですわ~・・・
回廊に風鈴が取り付けられていたんですが、この風鈴の音がまた・・よき(#^.^#)♪
この日はめちゃくちゃ蒸し暑い日だったんですが、風鈴の音って不思議ですね・・・マジで暑苦しい精神状態から解放してくれるんですよね・・・
この寺の独特の空気感がそう感じさせるのか・・とにかく異様に、心地が良い。
おっ・・・!
回廊の先に・・・見えてきましたよ!アレですね・・・
ドーン!とお魚(^^)
儀式の時間などを知らせる時に使う法器、とのことで、お魚が口にくわえた玉は煩悩を現しているそうです
これを叩いて、煩悩を吐き出させる意味合いがあるそうです(^^)おもしろいですねー。
この「かいぱん」というものが、こちらのお寺の見所のひとつとなっているようですので、ぜひ訪れた際には見てみて欲しいです(^^)
更に奥へと歩を進めると・・・「大雄宝殿」がありました
この中がまた・・・
うわっ・・キタ・・・!これ・・!!
「釈迦如来坐像」。
先ほどの「布袋さん」は中国人仏師の「范道生」(はんどうせい)の作品ということでしたが、この釈迦如来坐像は京仏師の作品のようです
お堂の中央に鎮座する釈迦如来坐像を取り囲むように安置されているのが「十八羅漢像」です!
うへええ~・・・・すげえ・・・・(゜゜)
こちらは范道生の作品だそうですが、京仏師も手伝って出来上がった作品ではないでしょうか。
それぞれが思い思いのポーズをとっている十八羅漢像、動きがあって面白いですね。
臨済宗や曹洞宗では釈迦を守護するものとして「十六羅漢」を祀る例が多いそうですが、ここの「黄檗宗」では明の時代の禅宗寺院にならって「十八羅漢」を祀るらしいです。
「黄檗宗」と言えば、この周辺の地名に「黄檗」が付けられていたり駅名も「黄檗」であったり、この寺が中心となっている様子が伺い知れます。
この右の人、ヤバない・・・^^;?
自分の腹を開いて、その中に人の顔がある・・・。
「羅怙羅尊者」(らごらそんじゃ)と呼ぶそうですが、「自分の中に仏はいる」を現しているそうです・・(゜゜)すごっ・・
絶対どこかで、会った事あるよね・・・笑?
この「大雄宝殿」も重文ですが、ここの扁額も隠元の書とのこと。
不思議だったのがお堂の中にぶら下がっているこの赤いやつ、七夕の吹き流しみたいなやつが手前の方だけ風になびくようにサラン、カラン、と揺れたんですよ・・・。
ちょうど私がこの位置に来た時に・・・他には誰もいないので・・なんだかちょっとゾクッとするものを感じてしまいました・・・(・・;)
「ブッダ巡礼」にて、仏像ばかりに気を取られがちですが・・・
なんやよくよく見渡してみると・・めちゃめちゃ美しい・・・。
近畿に居を移してからおかげ様で色々な寺社を巡らせていただいていますが、禅寺って特に美しさを備えていると感じるのは私だけでしょうか・・・
この景観なんか、真昼間なのに何故か・・夜中に上がる月を心に思い浮かべてしまいました・・・。
ゆるゆると、歩いているだけでシアワセを感じる空間・・・
こんなの完全に、モダンなカフェでしょ。笑
めっちゃめちゃ暑い日だったんですけど、回廊を歩いている時はそういう気分を全然感じ無いんですよね・・・別に扇風機やミストがあるワケでも無いのに・・・
不思議ですねえ~・・・・
黄檗宗の大本山である伽藍は、明朝様式ということで、至るところの造りが「中華風」に感じる部分がありました。
大雄宝殿の絵にもありましたが、向こうに見える手すりみたいな部分が中華ラーメンの丼ぶりに描かれているような模様です^^;
これがまた、この伽藍で見るとガチャガチャした感じがせず、非常に落ち着いてマッチしてるんですよねー!色々不思議。
正直、もっとこじんまりとしたお寺だと思っていたのですが・・とんでもない大伽藍でした・・!広いですし、見所満載のお寺ですので、特にこうしたものに興味がある方には1時間じゃ見切れないなと思いました・・・。
見学の際にはぜひ、お時間にゆとりをもって(^^)
(関係者かっ・・笑)
ちなみに、お土産コーナーの万福寺の代名詞的存在?の「布袋さん」を模したグッズが印象的でしたが、「萬福寺カレー」というレトルトカレーも売ってましてね・・・
しかしながらそれが・・1680円!?だかで・・・物価高騰の世情とは言え・・さすがにこれは高過ぎて手が出ませんでした・・^^;
これだけの見応えと内容で、拝観料500円は安いと思いました(^^)
散策するのがめっちゃ楽しかったです!
今回も写真をたくさんご覧いただきましたが、ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました(^^)
@京都2022