昨年は、「名刀は語る 美しき鑑賞の歴史」展に行きましたが、二回目。今回はこれまた興奮!「歌川広重」展です!!
「歌川広重」はちょうど秋田から引っ越しをするタイミングで、「二つの東海道五十三次」を秋田県立美術館で見ましたので、一度見ていると言えば見ているのですが、交通の要衝である草津宿、そして東海道と中山道の分岐点でもあるこの地で見る広重は、また違う角度から見えるような気がして、まあ飽きませんね・・笑
とにかくその世界に没頭してしまい、私の心は完全に幕末です。まだ写真の無い時代の、まるで映像を見ているかのような、風景の中に描写された人が動いているような、非常に不思議な世界に引き込まれてしまうのです。
私が特に印象的に感じるのが、「白」の使い方です。「広重ブルー」などと言われる青の使い方が有名なようですが、私はむしろ白の使い方が凄い・・と、見入ってしまいます。例えば海、あるいは川。光に照らされた水面に白を使うことで、まるでその場所で景色を見ているような遠近感、水深みたいなものを感じさせられ、感嘆します。そして特徴的な「雨」。やかましいくらいの棒を描いていますが、これがまあ臨場感のある、雨降りの様子が見事に伝わってくるんですよね・・。
近江八景シリーズも、やはり現地で見ると全然違いますね!その土地に住んで、その場所を知って見ると、ああ!あそこか!と、感動します。特に広重が活躍した次代、まさに交通の要衝のひとつである近江の風景は、当時メジャーなものだったでしょうし、当時の人々にとって印象深い景色であったろうと思うのです。
しかし、こうした素晴らしい芸術作品が、身近に見られるというのは本当に豊かで幸せを感じます。とってもいい美術館なんですよね、「佐川美術館」は。
2020.8.30まで。ご興味ある方は、夏のレクレーションにいかがでしょうか