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【新選組】大坂相撲の角力取と大乱闘「蜆橋跡」をゆく@大阪2023

文久三年(1863)6月、新選組の前身である壬生浪士組(この後ほどなく「新選組」を拝命)が大坂相撲の力士達と大乱闘となる事件は有名ですが、今回その現場となった【蜆橋跡】を訪れました。

幕末、天下の風雲急をつげる中、同志と気脈を通じて跳梁跋扈する浪士が増しに増し、大坂町奉行でもその取り締まりを持て余す状況に陥っていました・・

それ故新選組が大坂の取締りも依頼され、大坂にくだって来たという中で事件は起こります。

今回はその様子を、新選組二番隊隊長・永倉新八新選組顛末記」をなぞりながら見ていきたいと思います。

威望りゅうりゅうたる芹沢、近藤の二豪はそくざに山南敬助沖田総司永倉新八、平山五郎、原田左之助井上源三郎野口健司などの傑物を選抜し、ほかに二十人ばかりの隊員をひきいて大坂へくだり、かねてひいきにする八軒屋の京屋忠兵衛方へおちついた

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それは七月の十五日で燃ゆるようなあついさいちゅうとて、さしもの豪傑連もいたく閉口してしまい、芹沢の発意で舟すずみにでかけることにした。
ところが淀川の水瀬がはやくて船頭の力もおよばず、流されてるうちにトウトウ鍋島河岸へ着いた。
揚場へ上陸ると斎藤一が腹が痛いと言い出した。それでは舟をよそうとそのまま河岸をある橋のたもとまでゆくと前方から角力取がひとりブラリブラリとやってきた。
芹沢が、
「側へ寄れ寄れ」と声をかけると、角力取は、
「寄れとはなんだ」といって傲然としている。

芹沢、今の一言を聞くや

「おのれッ」

と言いざま腰の脇差しを抜き打ちにしてしまいました・・・。

なおも足をはやめて蜆橋へさしかかると、またもひとりの角力取がやってきて前とおなじようなまねをする。そこで今度は八人同時に飛びかかってその場にひきたおし、芹沢は馬乗りになって脇差をその胸に擬し、
「先刻もひとりを斬りすてた。武士にむかっておなじ無礼をやるとは言語道断、とても生命をたすけるではないが特別にそのほうはゆるしてつかわす。角力取一同へ、いらい武士に無礼すなと伝えよ」といって突っ放した。

角力取はほうほうの体で逃げ出し・・部屋まで帰って事の顛末を報告します。

なんだと・・!その浪人どもを打ち殺せっ!

角力取達は八角の樫の棒を手に手に、六十人ばかりで飛び出し芹沢らの後を追いました。

こちらは芹沢鴨をはじめ新選組の隊士、同志の斎藤一を介抱しようというので遊郭の住吉屋というに登楼して手当をくわえていると、きゅうに楼外にただならぬけはいがきこえる。
つづいてガヤガヤとののしりさわぐ声さえ聞こえる。
二階からのぞくと、これはしたり、仁王のような肥大の角力取がおよそ五、六十人、手に手に頑丈な樫の八角棒をたずさえ双肌脱いで殺気を満面にふくみ口ぐちに、
「さァ浪人どもを引きずりだせ、有無をいうなら此楼もろとも叩きこわすぞ」

これに対し芹沢が

「ヤアヤア武士にたいしてまたまた無礼をいたすか、このまま引き取らぬにおいては斬りすつるぞ」
とよばわった。

芹沢が地上へ飛び下り脇差を抜いて身構えると、山南、沖田、永倉、平山も身を躍らして飛び下りる。

それけんかだ!果し合いだ!

右往左往の大乱闘。

しかしさすがの角力取も新選組相手に八角棒では太刀打ちできず?さんざんに斬りまくられて退散していきます・・・。

波打つ横腹へグサリと脇差を突っ込み一抉りすれば、「ウーン」と唸って角力取はドタリとたおれる。
あるいは袈裟懸けに切られて「ワッ」と声をあげ血煙立ってあおむけにひっくりかえるなど泣き叫ぶもある。
角力取はいかに猛勇でも新選組選りぬきの剣士に敵うはずがない。みるみる斬りまくられてさんざんなめにあい、とうとう総崩れになってわれさきに逃げだした。

こうして、蜆橋界隈で起こった新選組角力取との大乱闘は新選組に斬られた角力取の即死者4~5名、手負い20~30人を出したそうです・・・。

 

 

 

これについては死者は1人、押し寄せた角力取は20~30人という説もありますが、上記は永倉翁が晩年語った話ですから、大きく言っている可能性も十分にあり得ますね・・。

そうした点は歴史における「聞き書き」「語り」にはあるあるですので、そういうものだと踏まえつつ楽しみたいものです。

さてその蜆橋。

今見る限り「橋」とか「川」とかはまるで想像出来ない感じにて、石碑が刻まれているのみでした・・・。

てか・・ここ・・・。

我らが「滋賀銀行」じゃないですか・・・^^;

この蜆橋の碑の一角から一本北側の新地の繁華街「曽根崎新地線」がかつて流れていた「蜆川」のようですね。

ここからずうっと、桜橋を越えて流れていた蜆川。

その川に沿って歩いてみましたが、まさに「ブタモリ的アクティビティ」です(^^)

楽しい~ 笑

しかしここ・・・めっちゃ鋭角ですねえ・・・(・・;)!

でもまあ・・・今じゃまったくイメージも出来ない・・といった場所の方が?

これまで磨きをかけてきた「妄想力」が発揮できるというものです??笑

久しぶりに大阪の幕末史跡を訪れましたが、やっぱ楽しいわ~!(私だけ・・?笑)

みなさんも、お金が掛からず知的冒険が楽しめる幕末巡り、オススメです(^^)

お付き合い、どうもありがとうございました。

@大阪2023

そうそう・・・!

「ひとりレイトショー」でも行くか・・と考えていた岡田准一主演の「燃えよ剣」、コロナでそれっきりになって・・・未だ観てないんですよねー・・・!

絶対面白そう(>_<)!!