うめじろうのええじゃないか!

幕末巡りと食べ歩き、時々うめじ論

「宇宙からの帰還」

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最近、立花隆氏の「宇宙からの帰還」を読んだ1985年の著書でかれこれ30年ほど前の本になる。私は特別宇宙とか宇宙船、宇宙飛行士などそういったものに興味を持っている訳でもなく、ごくごく一般的に男の子が興味を持つ程度のものでしかない。では何故今、この本に興味を持ったのか、自分でも不思議に思い考えてみた
何かの雑誌の紹介記事を目にして興味を持ったのかも知れない。しかし、どちらかと言うと科学とか理系の話はあまり・・踏み込んだ内容だと正直私の頭では理解に限界が・・自然、予め読むのは避ける傾向がある・・しかしこの本は宇宙から帰還した宇宙飛行士の内的体験を取材したものでどちらかというと人間とか精神世界が主題であり、そういった面には少なからず興味を抱いている為きっと読めたんだろう。
とは言え本の内容を理解するためにはある程度の科学的理屈が説明なされなければならない。その冒頭で宇宙空間というものが、我々人間がそのままでは生存し得ない「環境」であることに改めて、というか、知っていたつもりだけれどもよくよく考えてみたら「初めて」知ったように気付かされる。いわるゆる空気が無いから呼吸が出来ない。もうこれだけで「生きれない」のがおバカな私にも解るが、更に気圧が無い(一定の気圧が無いと人間は100%の酸素の中にいても呼吸が出来ないという)、温度も昼は灼熱地獄で夜は寒冷地獄・・、地球だけが大気に包まれて灼熱から守り保温効果で冷たさから守り気圧があって人間は生きていける。
そういう「そのままでは人間が生存し得ない環境」に行き、そして地球に帰還するという経験をした人間は何を思いどういう心的変化をもたらすのか当然ながら行った人間にしかわからない事である。特に地球の縁から離れて、外から地球を眺めた宇宙飛行士は極めて大きな精神体験をしているようだ。
「自分がそのまま生きていれる場所」にいないところに居て、外側からそこを見ているというのは臆病な私は考えているだけでも恐怖だ特にEVA(船外活動)をした者の精神体験は類似しているそうだ。宇宙服を隔てて身の回りにあるものは「人間が生きれない底知れぬ空間」であり、視線の先に地球があるというのは鳥肌ものだ。あそこに帰れるのか?と一瞬でも考えたら気が狂ってしまいそうだ・・そんな「未知の世界」を垣間見た人間がどのような思いに至るのか、そこを知りたいと思ってきっと私はこの本を今手に取ったのだと思う。
3.11から2年が経ったが、何故だろう、この本と原発事故の問題が重なって感じられるのは。恐らく、誰も経験したことのない「未知の世界」である事が宇宙空間と同様であり、そこに行った人間の声を聞きたい、何らかのヒントを得たいんだ、という潜在意識が働いているのだろう、と思う。
最後に、複数の宇宙飛行士の類似する所感をひとつ載せておきたい。
「宇宙に出ると地球上での国家間の対立抗争がいかにバカげているかという認識が生まれる。宇宙環境の厳しさが、宇宙に進出した人間同士を相互依存させる方向に働き、宇宙では殺し合いより助け合いの方が必要だということがすぐわかるからだ」