安政七年三月三日。水戸浪士たちは品川宿を出発し、愛宕神社に集結。桜田門へ向かう。登城してゆく大名行列。それを見物する町民たち。彦根藩邸上屋敷(上写真)の門が開き、大老・井伊直弼を乗せた籠が門を出た。
内堀通り沿いを進む直弼の行列。この日は雪の為護衛の侍たちは刀の柄鞘に袋をかけていたという。
いよいよ籠が桜田門に差しかからんとするその時、駕籠訴を装った水戸浪士が行列に近づいた。パン!パン!とピストルが発射されたのを合図に一斉に抜刀襲撃が開始される。
直弼による「安政の大獄」と、そして「桜田門外ノ変」は対をなしている。果たして「悪」なる井伊直弼と、悪政をぶった斬った尊攘志士が幕末という時代のピークに火を付けた、というエピソードに終始するものなのか。もっと大きく俯瞰してみたところで、双方全てひっくるめた命を賭けての大芝居がこの国を護り新時代へ持って行ったといえるのか。考察はまだまだ続く。
2017、桜田門外ノ変。