幕末ファンにとって悲話のひとつとして有名なのが「唐人お吉」さんです。
天保12年(1841)生まれのお吉さん。写真が残っていますが平成の感覚で見ても美しい方ですね。写真左下に松浦武四郎の写真がありますが、お吉は京の芸妓時代に武四郎らとともに開国運動に関わっていたそうです。
宝福寺に隣接された「唐人お吉記念館」にはお吉ゆかりの品々が展示されていました
ご周知、お吉は十七歳の時に心ならずもアメリカ総領事タウンゼントハリスのもとへ待妾として奉公させられました。鶴松という恋人との愛を引き剥がされ、ハリスのもとへ行かされたといいます。
これによりお吉は「唐人」と世間からはじかれ、流浪の末川に身を投げ生涯を終えるのです。当時のそうした世間の「仕打ち」は想像を絶する酷さだったと想像させられます。そしてまた、いかなる時代であってもこうした人の業というものは、その時代時代に姿カタチを変え存在するものでもある、という事を考えさせられるのです。
記念館の奥には「お吉の墓」があります
「お吉の墓」
こちらの立派なお墓は後に建てられたお墓のようです。合掌。