うめじろうのええじゃないか!

幕末巡りと食べ歩き、時々うめじ論

「池田屋」@龍馬をゆく2006

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枡屋はん、ちかごろ繁昌どすなあ。よろしおすなあ。
町人姿の「道具屋」枡屋喜右衛門。ひと皮めくれば潜伏中の勤皇志士、古高俊太郎である。
近ごろは長州さまの御用で、お忙しそうやおへんか・・・。
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「道具屋があやしい」
新撰組近藤勇が市中巡察中、江戸で顔見知りの水戸藩士・岸淵兵輔とばったり出くわし細い路地にある道具屋の話を聞く。新撰組が眼を光らせ始めた。蒸し風呂のような暑さの夜、新撰組が疾風の如く枡屋方を取り囲む。「枡屋喜右衛門、御用改めであるぞ」原田左之助が提灯をあげて叫ぶ。総勢二十余名。「ついに、来たか・・。」
風の強い日、洛中に火を放ち、その混乱に乗じて天皇を長州へ移す。これが古高らの恐るべきクーデターの計画であった。
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古高は思った。一人二人を斬ったところで、とうてい手に及ぶ敵ではない。「衣服を改めるによって、暫時御猶予くだされ」。古高は壬生の新撰組屯所に連行され、土方らによって酷烈極まる取り調べを受けた。
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「証拠はあがっておる」
同志の決死連判状を突き付けられたとき、さすがに古高は血の気を失った。否、古高捕縛にさほど期待を掛けていなかった新撰組の方こそ戦慄してしまったかも知れない。恐るべきクーデター計画。言語を絶する程の拷問。古高を梁に逆さづりにし、足の甲から裏にかけて撃ち込まれる五寸釘。それへ百目蝋燭を立てて火をともした。前川邸の蔵には今でもその時代の縄などが残ると聞いた。
古高はよく耐えた・・。しかし、朦朧とした意識の中でとうとう口を割ってしまう。「六月五日戌の刻・・同志集会・・」
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池田屋には既に観察の山崎烝が薬売りに変装して潜伏済みだ。集会の場所も探索済みであったが、別の密偵からは木屋町の「丹虎」とも伝えられた。丹虎の方がある意味、池田屋よりも長州、土州系としては可能性が高い。結果、土方隊は丹虎、近藤隊は池田屋を探索することになった。
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祇園町会所では新撰組が、京都守護職指揮による幕兵の包囲陣完成を今か今かと苛立ちながら待っている。遅い!機を失するではないか!会合が終わってしまえばまさしくおしまいである。
「歳!木屋町へゆけ!」
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近藤隊も始動。新撰組が動く!
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一方、池田屋。宴席は表二階の奥八畳の間。二十数名もが着座すれば、狭い。「いかがでございましょう?」宴席の手伝いを買って出た山崎が言う。「万一、女中衆どもがお腰のものを粗忽に致しては大変でございます。次の間にまとめてお置きくださいましては」山崎はうやうやしく捧げて次の間に置き、押し入れに収めてしまった。また、密かに大戸の木錠も外してしまっている。近藤隊は池田屋へ。
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亭主はおるか!御用改めであるぞ!!
池田屋惣兵衛、仰天、「お二階のお客様、御役人の御調べでございますぞ!」と叫ぶやいなや、近藤がその横っ面を力任せに殴りつける。
「あがれ。上だ」
同志が遅れて来たものだと思った土佐の北添佶磨。階段の降口で顔を合わせたのは近藤であった。あっ・・!っと思った瞬間、階段を駆け上がりながら北添を抜き打ち。ようや事態を把握した奥の間の連中、しかし・・!?刀が無い・・!やむなく小刀を抜き応戦。狭い部屋では小刀の方が有利という面もある。伝説の大乱闘、「池田屋ノ変」である。
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丹虎を探索していた土方隊。しかしそこに敵はおらず、急ぎ池田屋へ駆け付ける。土方隊も加勢し、長州中心の密謀は鎮圧されてしまう。戦闘もほぼ片付き始めた頃、ようやくやって来た会津、桑名の連中。
「なんぞ、御用ですかな?」
敵が崩れた後の戦場稼ぎよろしく、卑怯この上ない。
「お引き取りください」
土方は新撰組の実力で買い切ったこの戦場に、どういう他人も入れるつもりもない。
新撰組、「池田屋」にてその名を轟かせることになった。
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この事件後に長州は爆発し、禁門の変に至ってゆく。幕末史上、この池田屋事件がどう作用したのか、多くの議論が絶えないが、新撰組という「烏合の衆」が天下に雷鳴を轟かせる大きな事件であった。この2006年当時の池田屋跡地は、パチンコ屋さんであった。
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事件を示すプレートが路上に埋め込まれていました。幕末ファンにとって外せない大きなポイントです。



古高俊太郎邸跡
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前川邸
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京都守護職屋敷跡地
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四国屋・丹虎跡地
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池田屋跡地
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